JobsBankをテコ入れ
2016.10.13
ビザ(EP等)など労務関連
シンガポール政府が運営している求人情報JobsBankが改善するよというニュースです。
http://www.straitstimes.com/singapore/manpower/a-one-stop-non-stop-fair-for-job-seekers
個人的には、JobsBankというのはとても大きな可能性を秘めたウェブサービスだと思ってます。
我々も含めて外国人労働者のデータ把握は全てMOMがしていて、外国人についてはほぼ一通り効率的管理を実現しています。例えば何年も前にとったEPの番号は自国への帰国後もずっと(何年間かは知りません)保存されていて、再びシンガポール勤務となった時には昔のEP番号をそのままで引き継ぎますし、一度提出した卒業証明書などは学歴が変わらない限りシンガポール国内で転職などしても再提出不要です。所得についても、国外源泉所得は申告すら不要ではあるもの国内源泉所得についてはIRASの申告データと連動して、外国人の就労データの把握はすでに実現しているといっていいでしょう。
一方、シンガポール人等になるとビザという制度がないのと複数企業の兼務可能という状況もあってCPF納付実績に頼らざるを得ないのが現実で、まだ把握が十分にできていないといえます。シンガポール人等の就労データは、PICや外国人ビザ枠など、様々な企業データとして使用されるのでとても重要なところ、政府はまだこれを十分に把握しきれていない。
そこで出てきたのがJobsBankという政府の無料求人情報ウェブサイトです。
JobsBankが一層勢力を強めて、仮に全てのシンガポール法人等はJobsBankに求人を載せないとシンガポール人等を採用できない、つまり今の掲載免除規定を取り払った場合には、全てのシンガポール人等の雇用状況が把握できるようになる可能性があります。企業側で利用するローカル雇用データも、タイミングや雇用数のカウント方法を気にするまでもなく政府側の管理データを引っ張ってくればよいようになるかもしれませんし、もちろん政府側もチェックの手間が省けて、全ての不正が無い世界観を前提にすれば政府側も企業側もwinwin。そして全てのシンガポール人等がこれを使って就職する世界になった場合は人材紹介会社も不要になるかもしれませんし、事実に基づいた個人のキャリアデータを政府が一括管理できれば、架空のキャリアを書いて転職することもできなくなり、雇用主側も従業員の評価などを政府に送って、次の雇用主の参考情報にできたりもするかもしれません(ある意味で怖くなるくらいの透明化ですが)し、全体としては効率的なキャリア社会になるともいえなくないかもしれません。
そうなってくると最後は「有料化」ということも考えられます。直球ストレートど真ん中のフリーミアムですが、民間がやるフリーミアムと政府がやるそれとは全く性質が異なるでしょう。掲載免除規定をいきなり無くして全企業掲載必須、登録料100㌦、月額20ドルね、となると凄まじい影響となりますが、我々民間は回避不能ですから、とてつもない収益力のあるウェブサービスが出来上がります。今のbizfileのファイリング料も同じですが払うしかないです。
と、いうことでJobsBankのアップグレードはとても気になるので今後も注視していきたいと思います。