3か月ほど前のIMDレポートですが、香港とシンガポール、国際競争力において香港がシンガポールより良くなってきているそうで。

http://www.bloomberg.com/news/articles/2016-06-09/singapore-loses-to-hong-kong-in-race-for-most-competitive

 
　
基本的にはシンガポールの競争力が高いのは変わりがないものの、外国人労働者の採用規制をどんどん厳しくしている点は、シンガポールの競争力低下の大きな要因ではないかとされています。

しかしこれは国の方向性の問題で、極めて判断が難しい問題だと思います。例えば飲食店だとしましょう。労働者が雇えずに皆様苦労してます。シンガポール人はやりたがらないし、かといって外国人はビザが厳しくて雇えない。じゃあ改善できるとしたら、「自動化、効率化、機械化」しかない。そうやって労働力をギュッと絞って、短期的にはとても苦しい負担を強いるものの、シンガポールがやりたい方向性に長期的に誘導していく。

我々のような外国人にとっては本当に苦しいですが、国の方向性としては長期ビジョンに突き進んでいて素晴らしいなと感心します。テックインフラは香港を突き放して世界一だし、こうやって常にフレキシブルに労働力を調整しながら、ギリギリのところで慢性的な労働力不足を維持して民間に頭を使わせて、さらなるITインフラ向上を進める。

労働力不足を解消するために自動化を進めているのではなく、自動化を進めるために労働力不足を維持しているのだなあと思います。