English 中文

ブログBLOG

ブログ

EPの最低給与が3,600㌦に上昇

2016.07.27

ビザ(EP等)など労務関連

今日はこのニュースしかないでしょう。
来年2017年1月1日から新たに申請するEPについて、現在の最低月額給与3,300㌦から3,600㌦に引き上げられます。

 http://www.mom.gov.sg/newsroom/press-releases/2016/0726-update-to-ep-salary-criteria
 
ただし、現在保有しているEPの更新に関しては経過措置があります。おそらく月給3,300㌦から3,599㌦までの現在のEPホルダーに関する経過措置だと思いますが、2016年中に更新期限のくるEP更新に関しては3年更新が可能なものの、2017年1月から6月までに期限がくるEPの更新に関しては1年更新しか認められません。逆にいうと、2017年7月以降に更新期限がくる月給3,300㌦から3,599㌦までのEP更新は認められないという理解でよいかと思います。

 

 

影響を考えてみます。

 

 

人材紹介会社グッドジョブクリエーションの北川社長がFBで投稿されていましたが、全てのEPホルダーの月額給与が一斉に引き上げ、例えば今5,000㌦スペックの人が5,300㌦じゃないと新規承認&更新承認されない、といった懸念点は可能性として無くはないですが、おそらく無いのではないかと思います。EP最低給与引き上げというのがMOM側で何を意味するかというと、まあ要するにEPの承認を出す数に対してEP申請数が多過ぎるから申請数を減らしたいということでしょうから、月額給与が低い層にはもう(どうせ落とすし)、落とす手間を省くために申請すらさせないという、そういう意味合いが強いんだと思います。

 

 

逆に、EPの発給数もMOMの中で(おそらく国ごとに)決まっていて椅子取りゲームになっている現状からすると、3,300㌦~3,599㌦のEP申請者にEPというイスを取られなくなるので、高額所得EPホルダー個人にとっては逆に朗報なのかもしれません。最近は給与の金額関係なくEP却下される(給与高くてもEP通らない)事例が多発してますが、今後はそういったことは少しは減るかもしれません(SG人を雇用しない限りは長期的には厳しいのは間違いないですが)。

 


とはいえ企業としてはやはり打撃があります。特に飲食店や美容系店舗など、現行の3,300㌦すら厳しいという業界においては大打撃でしょうし、シンガポール人を雇用していない日系企業においてはすでに新卒の日本人なんか獲れなくなる(SパスもEPもダメ)といった状況になるでしょう。

 


個人的には特定の職種についてはEPでもSパスでもWPでもない別のビザカテゴリを作ってもいいと思いますが、そうなると消費活動の少ない外国人を入れることになるので、労働力以外に消費活動にも着目して外国人を受け入れているシンガポールとしては、そんな消費しない外国人を入れるぐらいならロボットに仕事させたら?と言われちゃいそうですね。MOMも、店舗系の人材難の事情は知りつつ、シンガポールの長期ビジョンの実現にむけてグッと我慢してEPは引き続き厳しく、という感じなんしょうか。 

 

 

あとはあれですね、DP(LOC)とPRの人材への需要がさらに増加するでしょう。3,600㌦は出せないし、フルタイムでがっつりじゃないけど日本人が欲しい、といった仕事は、EPではなくDPのパートタイムやPRの兼業で回す事例が増え、こういった人材の人件費も上がるかもしれません。国境を超えたリモートワークやワーホリ学生の活用もますます増えて、「高額所得者しか長く住めない」という国になっていきますね。実際そうなってきてますが。

INQUIRY

御見積もりやセミナーの御依頼など、お気軽に御相談ください

お問い合わせはこちら