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シンガポールの会計事務所の選び方

2020.06.12

ビジネス会計人, 会社設立(法人設立)などシンガポール進出系

CPAコンシェルジュ代表の萱場です。

シンガポールで会計事務所を選ぶ際の判断基準についてご紹介していきます。

なるべくお読みいただいている方の参考になるよう、フラットな視点で記載していきます。

 

シンガポールの会計事務所の役割

まず、シンガポールの会計事務所が何をしてくれるのか?ですが、日本の会計事務所に比べ、幅広い業務を扱っている会計事務所が多いといえます。事務所によって多少の違いはありますが、一般的に、対応している業務と対応していない業務は下記のようになるかと思います。

一般的にシンガポールの会計事務所が対応している、もしくは得意な領域

・会社設立登記、登記簿の変更、法人閉鎖といったカンパニーセクレタリー業務

・記帳代行や法定決算書作成といった会計業務の代行やご相談対応

・法人税やGST、個人所得税といった税務業務

・人事業務のうち、ビザ申請や給与計算といった法務以外の業務

・バックオフィス効率化、不正防止の内部統制や事務作業に関するご相談

・会計監査

一般的にシンガポールの会計事務所が対応していない、もしくは苦手な領域

・フィージビリティスタディを含む、市場調査や事業計画に関するご相談

・金融ライセンスや契約関係、労務などの法務業務

・マーケティングやセールス拡大といった営業に関するご相談

・輸出入、物流など、モノに関するご相談

 

シンガポールの会計事務所の3つのタイプ

シンガポールの会計事務所を選ぶ際には、まず下記の3タイプのうち、どういったご希望なのかを決めていただくのがよいでしょう。そこから具体的に個別の事務所に当たってみる、というのがよかろうと思います。

1.独立系の日系会計事務所

弊社CPAコンシェルジュもこれに該当しますが、日本人が現地で創業し、現地で日本人専門家が常駐して運営している日系の会計事務所です。日本の会計事務所のシンガポール支店やシンガポール子会社、といった事務所もあります。

一般的な長所としては、日本語でサービスが受けられる、日本とシンガポールの両方の国の制度を踏まえてアドバイスが受けられる、接客が丁寧、レスが早い、といったところでしょうか。

一般的な短所としては、ローカルに比べると価格が高い傾向にあること、国際会計事務所に比べると他国に拠点が無いことがある、専門性の高い領域については人材不足のことがある、といったところでしょうか。

2.大手・中堅国際会計事務所

その多くが欧米を拠点とする国際的会計事務所で、最大手のいわゆるBig4やその他の中堅国際会計事務所です。Big4では日本の監査法人からの海外駐在などで多くの日本人専門家を抱えていますが、中堅の事務所だと日本人の窓口担当が一人いるかいないか、というのが実情です。

一般的な長所としては、日本を含めて世界中に拠点があり、難度の高い領域の専門家を多く抱えている点といえるでしょう。世界中にグループ会社を有している日本の上場会社であれば、監査法人グループを統一するためにシンガポールでも同系列監査法人にご依頼されるのはよくあるケースです。

一般的な短所としては、価格が高いところかと思います。

3.ローカル会計事務所

日本人担当者がいなくてもよい、とにかく安く外注したい、という場合にはローカル事務所にご依頼されるのがよいでしょう。ローカル事務所でも、信じられないような廉価で対応してくれる事務所もありますし、日系会計事務所よりも高い報酬水準の事務所もあり、多種多様ではありますが、幅が広いだけに探せば廉価な業者も見つかります。

一般的な長所としては価格が安い事、かと思います。シンガポールで日本人や日本企業と関わりを持たずにひっそりと暮らしていきたい、という方にもローカル事務所が合うかもしれません。

一般的な短所としては、価格が安ければ安いほどサービスが雑な傾向にあること、日本語が通じないのは当然として、日本の文化、日本の常識、制度は全く通じないため、コミュニケーションにすれ違いが多くなる傾向にあります。

 

1,2,3の選び方のコツ

結論、シンガポールの会計事務所選びのコツとしては、まず、日本の親会社でご依頼されている会計事務所との統一などの理由で、Big4などの国際会計事務所にされることが決まっているのであればおのずと選択肢は「2.大手、中堅国際会計事務所」になります。ただし、監査のみを「2.大手、中堅国際会計事務所」に、その他のバックオフィス代行業務や日常のアドバイスは「1.独立系の日系会計事務所」もしくは「3.ローカル会計事務所」に、というケースもあります。また、自社の会社規模が大きい場合は取引が複雑化し、リスクも高くなりますので「2.大手、中堅国際会計事務所」を選ばれることも良いかと思います。例えば同じ移転価格税制であっても大きな会社のリスクと小さな会社のリスクは全く異なりますので会社が大きいのであれば移転価格税制も対応できるBig4、といった具合ですね。

次に、期限管理や日常業務のトラブルや疑問点もご自身で自力で解決する覚悟でとにかく価格を安くしたい、という場合は「3.ローカル会計事務所」を選ばれるのがよいでしょう。例えば、Singapore, accounting, low price, affordable price, bookkeeping, tax, といった英単語で検索していただくと色々と業者がヒットするかと思います。

上記に該当しない多くの場合はやはり「1.独立系の日系会計事務所」になるのかと思います。日本語で日々の様々なご相談をされたい場合や、日本人の常識(アポの時間は守る、資料は無くさない、など)と同じ土俵でストレスなくご依頼されたい場合、それからチャットツールや各種クラウドツールを使って効率的に業務を進めたい、といった場合は「1.独立系の日系会計事務所」、ということになろうかと思います。弊社にご依頼いただけると嬉しいですが、シンガポール、会計事務所、会計、税務、記帳代行、決算、公認会計士、税理士、シンガポール法人設立、シンガポール進出、といった単語で検索していただけると様々な業者がヒットするかと思いますので、合いそうな事務所に連絡してみるとよいと思います。

シンガポールの日系会計事務所一覧もご参照いただけるかと思います。

 

参考になれば幸いです。

 

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