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Sパス最低給与改定&Jobs Bank掲載義務拡大

2018.03.06

ビザ(EP等)など労務関連

昨日、MOMからいくつか改正の発表がありました。

日系企業の皆様に影響が大きそうなところが二つありますのでご案内です。

 

https://www.gov.sg/microsites/budget2018/press-room/news/content/strengthening-local-foreign-workforce-synergy
 
(i) Sパスの最低給与引き上げ
(ii) Jobs Bank掲載義務拡大

 

 

以下、それぞれ概略です。

 

 

(i) Sパスの最低給与引き上げ

 

Sパスの最低給与が現行の$2,200から$2,400へ、段階的に引き上げ、来年、2019年1月から$2,300へ、2020年1月から$2,400となります。細かいところは分かりませんが、いつものパターンだと、1月以降の新規申請と更新が対象になると思われます。

 

 

 

(ii) Jobs Bank掲載義務拡大

 

まずそもそもの背景から。

 

シンガポールには、日本でいうところのハローワークのような、シンガポール政府が運営しているJobs Bankという人材募集サイトがあり、EPホルダーの外国人(日本人含む)を採用する際、一定の場合を除いてこのJobs Bankへ人材募集を掲載してからでないと外国人の採用ができません。


趣旨は、「シンガポール人の雇用をまず第一に考えよ」というもので、どの国も同じですが、外国人よりもまずは自国民の雇用を優先すべし、ということで、シンガポール人をまず探してから該当する人材がいない場合に初めて外国人採用ができる、というものです。実際、このJobs Bankはシンガポール人等を対象にした人材募集サイトになっています。

 

 

小さい会社の場合、この制度自体、知らないこともありますが、今回の改正で対象になる会社が激増しそうですので注意が必要です。

 

 

そもそも原則として事前掲載が必要で、一定の場合に免除されるというこの制度、現行で免除されているのは、「従業員25名未満の小さい会社」もしくは「月額給与$12,000以上の高度人材の募集」の場合になっています。

 

 

これがそれぞれ従業員10名未満、と月額給与$15,000以上、というように、掲載免除の対象が狭くなりました。つまり従業員10人のシンガポール法人は、月額給与15,000㌦未満の日本人EPホルダーを採用する場合は、まず事前にこのウェブサイトに掲載し、シンガポール人で該当する人材がいないかを検討する必要がある、ということになります。 

 

 

改正は今年、2018年7月1日になります。

 

 

今後、またEP最低給与の引き上げなどもあるでしょうし、5年後、10年後の外国人雇用はどうなっているんでしょうか。個人的には、Sパスも近い将来、無くなるのではないかと感じますし、EP最低給与が下がることは、この国の競争力が下がった時ぐらいしかなさそうですし、そんな時代はそうそう来ない気がしてます。

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