PICスキームとホテル
2015.02.04
シンガポールの税金(法人税、GST、個人所得税、優遇税制など)
シンガポールは狭い国土なので、いかに土地を有効活用するかが課題で、言い換えれば、企業に付加価値の低い労働者をなるべく雇用させず、効率的に仕事をまわさせるかというのが国全体の戦略であり、いわゆる「自動化設備」に投資(=買うこと)すると、払った金額の4倍損金算入できる(法人税率17%なので投資額のおおむね70%弱が政府から戻ってくる計算)というPICスキームという制度があります。
シンガポールでは様々な場面で使われています。例えばレストランで注文を受けるウェイトレスの代わりにテーブルにiPadを置き、客から直接電子データで注文を受けたり、セントラルキッチン(多店舗レストランの食材仕込みを一つの巨大キッチンでこなして各店舗に配送するやり方)での食材自動裁断機など、こういった場合のiPadや自動裁断機の購入費用は400%損金算入です。
この自動化設備の投資制度がホテル業にも波及してきましたというのが今日のニュースです。Far East Hospitalityが運営するVillage Katong Hotelがセルフチェックインシステムを導入し、受付の人とのやりとり無しでチェックインできるシステムを開始すると発表しました。
事前にスマホでチェックイン用のバーコードを受け取り、ホテルに着いてからホテルの専用機器でバーコードを読み取らせてチェックインするという方式です。
ホテルに受付の人がいない、、、よからぬことを考える人も多いでしょうがw、画期的ですね。ただ、これは日本の話ですが、長い目でみて日本のサービスのなかで生き残るサービスの一つとして、日本特有のホテルのホスピタリティというのがあり、ホスピタリティというのが重要といわれるホテル業ですので、ITで自動化しながらホスピタリティを落とさないアイデアが欲しいところです。
【参考:PICスキーム(前半)制度概要】