【美容師】お客様のライフスタイルを豊かにすることが我々の仕事-櫻井 俊輔
2019.08.09
そう語るのは自身の名の入った美容院『SHUN SAKURAI HAIR & BEAUTY』のマネージングダイレクターである櫻井俊輔さんである。今もなお美容師として活躍する一方で経営者としての顔も持つ彼に、進出先として「シンガポールを選択した理由」や「美容師としての仕事の醍醐味」を伺う中で仕事人としての哲学を探る。
インタビュー記事の読者限定で特典もありますので、興味のある方はぜひ最後まで御覧ください。
ヘアケアでお客様のライフスタイルを豊かに
■仕事編
―事業内容について教えてください。
一言で言うと“Beauty”です。ヘアサービスがメインの業務内容となり、ヘアカット、ヘアパーマ、カラーリング、トリートメント、ヘッドスパなども承りつつ、メイクやヘアセットもやっています。ゆくゆくお店が安定してきたら、アイラッシュ、ネイルやカフェなど、ヘアサービスのみにとらわれないライフスタイルにまつわる複合的なサービスの提供を考えています。
―『SHUN SAKURAI HAIR & BEAUTY』のコンセプトを教えてください。
「お客様のライフスタイルを豊かにしていくこと」です。メインはヘアカットやスパですが、ヘアスタイルを変えることは、普段の生活を豊かにすることに繋がると思っています。ヘアスタイルを変えたことで気分が変わったり、それがきっかけとなってメイクや洋服のチョイスを変えてみる子って結構いるんですよね。極端な話、髪形を変えたことで彼氏・彼女ができることだってあるわけで、髪を切る側としてもそういった意識をもって仕事をしています。
具体的なヘアセットのスタイルに関しては、得意なスタイルや推しているヘアセットなどをあえて設けないようにしています。例えば原宿だったり銀座にあるような美容院って、ある一定数のお客さんをとらえられればお店として成り立つので、その為に“推しスタイル”を設けてブランディングをする傾向にありますが、シンガポールは狭い国、且つ多国籍国家なので、いろいろな価値観の人を相手にサービスを提供することを踏まえて、特に奇抜な路線などは提案していません。
ライフスタイルの変化に繋がるのが「モノづくり」の魅力
―美容師になったきっかけは何ですか。
もともとは学生時代建築の勉強をしていましたが、その時に感じたのは「建築は分業される業界」だということ。デザインする人、建築する人、あとは構造計算といったように分業が行き過ぎることに対して17、18の自分は面白くないと感じていました。また、同時期に「もっと人と関わりながらダイレクトに何かを作る」仕事に憧れがあり美容師を選びました。
―「モノづくり」に元々興味があったのですね。
他には映画を作る仕事とか、街づくりとかに興味がありました。「何かを変えたらライフスタイルを変えられる」所に魅力を感じて。なので美容師の仕事をしていると好きなことを選んだといわれることが多いですが、好きなことでいうと実は他にもたくさんあるんですよね。化石堀とかも昔はよくやっていました。
シンガポールは、長期間身を置くのに好条件な場所
■シンガポール進出編
―シンガポールでまずは従業員として働かれていたということでしたが、それは最終的にはシンガポールで独立することを見越していたんですか?
そうです。「その国に住めるかどうか」という視点を持って国を周りました。シンガポールに決定する前はインドネシア、マレーシアといった国を検討していましたが、現地で独立するのはリスクが高いと感じました。
―具体的にはどういった点で?
現地で独立している人と話をしたりする機会も多く作りましたが、合法的に行くのは様々な条件をクリアする必要がある為、難しそうだと感じたんです。
高い技術を高い値段で提供できるのが海外進出の利点
―今後シンガポール以外の国に展開する展望もあるんでしょうか。
あります。シンガポール自体国が小さいので、そんなに何店舗もできないと思うんですよね。他の国はリスクが伴ってくるんで、シンガポールで他の国に進出した時のリスクをカバーできるくらいの売上を作っていかないとは思っています。あとは他の国に行くならローカルのパートナーつけないといけなかったり、そういった現実的な問題はありますが。
―日本でやっていくつもりはなかったんでしょうか。
考えなかったですね。日本自体伸びしろがあるイメージ湧かなくて。そう感じていた一番の要因は「日本のサービス業が安すぎる」という現状を感じていたからです。
日本は高い技術があっても安い値段で売られている国なんです。日本の美容業界が全体としていわゆるブラック企業気質である、そうしないと成り立たなくなっているモデルであると感じていました。本来ホワイトに日本の美容業界をしていくと、結構な数の美容院が窮地に陥ると思います。
一方で、海外に進出するとなると、特に日本の美容院がないようなところに出店しようとすると、自らがプライスを決められる立場になります。そうすればいわゆる日本的な美容業界の風潮を排除することができます。
ただ、最近出会った日本の美容院の経営者の方々とお話しをしていると、自分と同じような考えの方も増えてきているようで、少し安心しています。
日本って税金が高い国なので、親が金持ちでも子に相続する際に税金で持っていかれますよね。結果どんどんミドル層が増えるんですが、海外だとお金持ちはお金持ちのまま留まれる仕組みがある。格差がある社会だと、上の層の感覚と下の層の感覚は全然違うので、ある程度高い値段のサービスでも上の層に受け入れられればビジネスは成り立ちます。そういう戦い方ができるのは海外進出のいいところだと思っています。
長期休暇による売上の沈みがないのが日本との違い
―現在『SHUN SAKURAI HAIR & BEAUTY』のメインターゲットは、日本人顧客なのでしょうか。
そうではありません。日本人とシンガポール人が3~4割、残りがその他の国というバランスを狙っています。国民性の違いから生まれる美容院の利用頻度をなるべく排除することで、毎月安定した売上を目指すのが狙いです。というのも、日本人のお客様単価は低い傾向にありますが、それでもマメにお越しになる一方で、シンガポール人は3,4カ月に一回程度の利用頻度なのに対して客単価は高いという特徴があります。なので年間で使用してくれる額にそこまで差は生まれませんが、安定した経営を目指す意味で先ほどの割合を意識しています。
また、売上の分散の話でいうと、「スクールホリデーによる売上の沈みがない」というのも、日本で美容師をやっていたころと大きく違うポイントになります。日本では長期休暇、つまりお盆のタイミングとかになると一気に売上が沈む傾向にあるんですが、シンガポールだと、日本人学校のタイプによってホリデーが違います。通常子供の長期休暇のタイミングで帰国して、それが理由で美容院の利用頻度が下がるのが一般的ですが、先の理由からこっちだとそういうことはありません。
目標は利益を上げながら、ローカライズしていくこと
しっかりと利益を上げていくことです。そ上でうまくローカライズしていく。今はヘアカットを日本人の美容師が行っていますが、ローカルの子たちに日本の技術を伝えたうえでローカライズしていきたいと考えています。やっぱり日本人、つまり外国人だけでビジネスやるのは難しいと日々感じているので。
また、ヘア以外の提案を行う構想も練っています。冒頭でお話ししたヘアメイク、ネイルもそうですが、日本とシンガポールをつなぎたいという気持ちから、「着物」のきつけなどよりカルチャーよりのものを提供することも考えています。
―スタッフにファンがつくような。
そうですね。いいもの求めてる人にとって、そこに行ったら間違いないよなって思ってもらえる存在になりたいですね。日本で切るより、こっちでき切る方が満足度高いようなサロンにしたいですね。日本人は定期的に日本に帰るので、正直日本で切った方が安い中で、なおシンガポールで切りたいと思えるようなサービスを提供したいと強く思っています。
■会計事務所編
―最後に、インタビュアーである弊社はシンガポール進出を行う日系企業をメインにサポートする会計事務所ですが、「会計事務所に求めるもの」はなんでしょうか。
「お金のプロとしてのアドバイス」です。私は美容師としてはキャリアは長いですが、経営者としては二年目。お金の流れとか、見直した方がいい部分があるのなら、そういったアドバイスをもらえると非常に助かると日々感じています。
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