GSTの表示方法
2016.08.19
シンガポールの税金(法人税、GST、個人所得税、優遇税制など)
日本の消費税に該当するシンガポールのGSTですが、Tax Invoiceに記載しなければならない様式が決まっているというのはご存じの方も多いと思いますが、日本でいう「総額表示」のルールも存在します。
ルールは一言で言えば、
「GSTの金額も全部含めて、消費者が結局いくら払えばいいのか明記しなさい」
ということです。違反した場合には5,000㌦以下の罰金。
税込み&税抜きの併記の場合は税抜きの金額の方を強調することはNGです。また、従来、税込みで107㌦だった商品を特別割引で100㌦にする場合に「GSTかかりません」といって表示するのもNGで、その場合は約93㌦にGSTがかかって100㌦がGST込みであるという表示をしなければなりません。サービスチャージのある飲食やホテルには例外規定あり(リンク先参照)。
さて、こういった法律や制度を考えるうえでとても重要なのが、「何故そうなっているのか」を考えることです。今回の税込み表示でいえば、税抜き表示だとどういう問題があるのか?という逆の視点でも良いでしょう。
そこに特段の理由が無かったり、メリットもデメリットもあるが「決め」でルールが決まっている場合は他のケースで別のルールになっていることもありますが、理由が明確にある場合は他のケースでも同じルールになっていることが多く、そういった「経験によるカンドコロ」をできるだけ多く積み上げることは仕事をする上で極めて重要です。
例えば日本の消費税はアカウント方式でシンガポールのGSTはインボイス方式ですが、これはそれぞれメリットとデメリットがあるから各国で違う。一方で税込み表示か税抜き表示かについては、税抜き表示のメリットというのは基本的に無いと思われる(税率改正しても実務に影響少ないというぐらいか)ので、「ルールが決まっている国」においては普通は税込み表示がルールになるだろうという予測ができる。
漠然と決まっていることを覚えただけでは人間成長しませんから、常に「考える」ことを頭に入れて日々を過ごしていきたいものですね。