またまたEP厳格化が公表されました
2016.04.09
ビザ(EP等)など労務関連
我々外国人には大きなニュースです。EPがさらに厳格化されることになりました。
今回のアナウンスはこれまでの厳格化とはちょっと毛色が違って、「EPの審査をするにあたり会社属性も考慮される」ということになるというものです。我々のようなEP申請代行をやっているような業者だと既知の情報に近いところがありますが、監督官庁MOMが正式にアナウンスした点ではビッグニュースでしょう。
これまでのEPの審査基準としては、基本的には会社の属性ではなくその外国人個人の属性(一言でいうと、この国で働いて欲しいと思える高度人材か)を審査してEPの承認可否が決まっていたところ、会社属性も考慮されるということがオフィシャルとなります。
重視される会社の属性は以下の三点。
①従業員数に占めるシンガポール人の割合
②将来のシンガポール人中心の事業運営への移行方針(人材教育)
③将来のシンガポール共和国への貢献
①②もシンガポールへの貢献ですから、③が意味するところは、「シンガポール人の雇用を生まないのであれば、他の領域、例えばシンガポールへの納税などで貢献せよ」ということや、「少子高齢化解消や自動化促進を進める事業」というような意味でしょう。
上記3つが達成できていない会社はトリプルウィーク(3点とも落第点)ということでブラックリスト(watchlist)に載り、以後のEP新規申請や更新に影響が出るとのことで、リストに載っている旨は一応会社に通知されるようです(すでに100社がリスト入りしている模様)。
今回のEP厳格化、趣旨としては決して外国人排除ではなく、現状として、外国人界隈とシンガポール人界隈がそれぞれ独立してコミュニティ形成している状況があるので、そういった状況は将来的にシンガポールにとってよろしくないので、それを無くして「外国人しかいない企業」というのを無くしていこう、シンガポール人を中心に会社運営させよう、ということです。
さすがですねシンガポール。この国にとって、適切な施策だと思います。もっと早くやっておいたらもっとよかったと思いますが、まだこの国には求心力がありますので間に合うと思います。我々のような外国人としてはマジかよ?と思えるようなとても厳しい制度変更ですが、私がシンガポール人(政治家)なら賛同します。
PICを筆頭に、数々の生産性の向上政策がなかなか成果を得られないのは、こういった外国人しかいない企業が多く現地コミュニティから隔離されているというのもあるのかもしれません。そういった外国人で固めた企業のノウハウがOJTなども含めてなかなかシンガポール人に降りてこないという問題認識もあって今回の改正に踏み切ったのかもしれません。
シンガポールはますます大変になりますが、
皆さん頑張りましょう!