法人設立時の取締役(会社設立、法人設立)
2015.11.16
会社設立(法人設立)などシンガポール進出系
シンガポール法人には「居住取締役」が1名以上就任していなければなりませんが、シンガポール法人設立後に日本からシンガポールに誰かを移住させる場合であっても、一旦、業者か友人知人など、すでにシンガポール国内に住んでいる人を居住取締役として就任させて法人設立を行います。
というのも、法人設立時点ではまだその人は「居住」していないからです。つまり、日本から来る人はビザを取得しなければ「居住」にはなれませんが、そのビザを取得するためには現地法人(等)が必要になるからです。ニワトリタマゴではありますがそういうことになっています。ですので、法人設立して、日本から来る一人目の立ち上げ担当がビザを取得したら、業者や友人知人の居住取締役は退任してその人が居住取締役になる、というのが一般的実務になっています。
取締役には18歳以上の普通の自然人であれば就任できると思っていただいてよいかと思います。ただし、犯罪歴や、過去に複数社を債務超過で倒産させたとか、ACRAへのコンプラ義務違反で3回以上有罪判決を受けたとか、そういったビジネス的な不適合者は就任できません(正確なところは法律事務所等にお聞きください)。
ちなみに、MD(Managing Director)という、取締役(Director)の中で一番偉い取締役が誰かというのは定款によることになりますが、Managingがついても別にそれは単なる呼び名だけで、他のDirectorと何か権限が変わるというものではありません。つまり、MDが何か特別な権限を有しているとしてもそれは、MDということで法的に何か特別な権限を付与されているわけではなく、その会社のルールとして権限を付与されているということになります。MDを置いていない会社も多いです。
取締役の責任というのは過去にも散々お伝えしてきていますが、日本でいうところの善管注意義務や忠実義務というのはもちろんのこと、開示義務をはじめとする各種法規制の違反の場合は当然ながら責任を負います。例えば個人情報保護法など、事業に直接関係ない「そんな細かいの知らないし気にしない」ということであっても責任を負いますので注意が必要です。
【 参照:シンガポールの会社設立(法人設立)の概要】