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2016年税制改正を予想してみましょう

2016.03.20

シンガポールの税金(法人税、GST、個人所得税、優遇税制など)

今週木曜日(3月24日)にシンガポールの2016年予算案が公表され、そこで今年の税制改正の概要が分かりますが、勝手に根も葉もない予想をしてみたいと思います。しかも自分の興味のある分野のみ。かなりの確率で全て外れますwのでテキトーにご覧ください。

 
 
予想①
400%損金算入or60%補助金として有名なPICですが、2018年までは現行制度の維持になるものの、2019年から修正されると予想します(2017年改正かも)。おそらく制度自体は2019年以降も続くされるものの、もう少しメリハリをつけたものになる思います。例えば、現時点で「パソコンの購入代金はOK」とか「業務で使うソフトウェアはOK」とか、適用可否について結構緩いところが、もう少し適用対象をちゃんと判定するようになると思います。例えば、PCでも対象になる最低限の仕様を定めたり、自動化設備リストに記載されているものであれば「いかに人手が無くなるか」という具体的な説明は不要だったところ、これを必ず記載し、一つ一つIRASが判定するように変わるかもしれませんし、60%補助金の最低金額が400㌦のところ、800㌦ぐらいに増額されるかもしれません。

 

 

予想②
設立後3年間、大幅に免税される「スタートアップ免税」制度の修正を予想します。修正の内容としては、個人株主の持ち分要件の撤廃(外国法人の子会社でもOKと変更)、それと設立後3年間、その年ごとの免税範囲という条件を、「設立後5年以内に課税所得が発生した場合、5年間合計の所得で●●ドルまで免税」というように、その年その年ごとに利益を出しておかないととれないというよう現行制度を無くして、意味のある制度に変わると予想します。軽減税率の%は少し小さく(減税幅縮小)なるかもしれません。ただし、PICのようにローカル雇用もしくは適用可能な事業内容がさらに限定される可能性もあるかと思います。

 

 

予想③
GST増税を予想します。現行の7%からとりあえず8%ぐらいかと。ただし、同時にお年寄りや低所得者層へのGST Voucherは強化されるかもしれません。また、現行では実質非課税となっているオンラインサービスのGST課税が制度化されるかもしれません。

 

 

予想④
GST増税と同時に、GST登録要件の緩和を予想します。GST登録した方が有利になるものの、原則として1ミリオンの売上(もしくは費用)が条件とされていたところ、これを0.8ミリオンあたりいに要件緩和するのではないかと思います。

 

 

予想⑤
資金提供側のさらなる免税を予想します。エンジェル投資家や金融機関、ベンチャーキャピタルなどの自分のお金投資する系だけでなく、ファンド、特に外国から資金を引っ張ってくるスキーム、それからイノベーション系事業への資金については特に、さらなる免税or減税措置が進むと思います。

 

 

予想⑥
欠損金の繰り越し要件である株主テストの要件緩和を予想します。現行の制度だと、VCなどから資金調達をして株主のマジョリティが変わると欠損金の繰り越しができなくなりますが、エンジェル投資家やVCなどのプロ投資家から調達した場合は適用対象外、というようにベンチャー企業が大型資金調達としても不利にならないよう調整されると予想します。

 

 

予想⑦
いわゆる「外国税額控除の枠」を越えた場合の外国税額を繰り越しして控除できるようになると予想します。ただし繰り越し金額は支払い外国税額の80%など、若干の調整がされると予想します。

 

 

予想⑧
現在、EPの雇用にはかからないFWL(外国人雇用税)ですが、EP雇用の場合もFWLがかかるように改正されるかもしれません。

 

 

予想⑨
現行の法人税率17%、ひょっとしたら18%に増税される可能性もあるかなと思います。

 

 

予想⑩
たばこ税の増税を予想(希望)します。

 

 

予想⑪
政府の狙い通り、かなり不動産価格が下落してきましたので、そろそろ不動産価格抑制税制を緩和するのではないかと思います。不動産関連の印紙税の段階的な減税(今年1%減、来年さらにもう1%減とか)を予想しときます。

 

 

 
予想⑫
税制関係ないですが、投資家への永住権付与に加えて、ロボットの技術者など、イノベーションに関わる人材への永住権の発行制度がそのうちできると思います。

 
 
 
全体的には、増税と減税とでメリハリをつけて、さらに目指す世界観を実現するように動くと思います。総選挙も終わりましたし、去年よりも「国の将来に向けた痛みを伴う戦略的税制」にシフトできるので、GSTや法人税を増税するにはいい年です。イノベーションを生む企業を人材とともに世界中から誘致して、100人雇用するような製造業よりも数人のシンガポール人が10体のロボットで同じ生産性を実現する、というような世界観の実現を目指すのだと思います。低賃金外国人労働者すら不要になるようなIT&ロボット社会。

 

 

繰り返しですが、全部外れる可能性も大いにある個人的予想で、とってもいい加減なのでお気を付けください(´∀`*)

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