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法人税法上の欠損金の繰り越し要件(繰越欠損金)

2015.11.13

シンガポールの税金(法人税、GST、個人所得税、優遇税制など)

専門用語をやめて分かりやすい言葉で説明しますと、利益が出なかった場合の「純損失」は、来年以降利益が出た場合にその利益と相殺できます(法人税の話です)。つまり、今年1年で1万ドルの損失が出た場合、今年は法人税を納めなくてよいのは当然ですが、来年利益が出ても今年の1万ドルの損失を来年の利益から減らして来年の法人税を少なくできる、という意味です。
 
 
この、今年の損失を来年以降に持ち越すことを、
 
 
「欠損金を繰り越す」
 
 
といいます。日本では現状、損失が出た年から9年間しか繰り越せないことになっていますが、シンガポールでは無期限、つまり永遠に繰り越すことができます。
 
 
ただし欠損金を繰り越すためには、「主要株主が変わっていないこと」が条件になります。日本にも同じような条件がありますが、莫大な損失が出た会社(の株式)を買収して、他人が出した過去の損失を使ってその後法人税を納めないということができてしまうので、これを防ぐための条件です。この条件が無いと、大きな損失を抱えた会社が「節税」を売り文句に価値がついてしまい、「売れる」ことになってしまいます。
 
 
で、この「主要株主が変わっていないこと」という条件ですが、シンガポールでは以下のようになっています。
 
 
①損失が出た年の基準日と
②利益が出て損失と相殺したい年の基準日の
③主要株主が大きく変わっていないこと
 
 
それぞれ具体的には下記。
 
  
①損失が出た年の基準日
損失が出た決算日が属する暦年(←注意)の12月31日
 
②利益が出て損失と相殺したい日
過去の損失と相殺したい年の賦課年度(←注意)の1月1日
 
③主要株主が大きく変わっていないこと
①と②の両日の株主と持ち株数を並べて、どちらの基準日でも株主であるという「基準日共通株主」の持ち分割合を合計して、①②どちらの日も50%以上であること
 
 
2014年3月末決算で出た損失を2016年3月末の決算で相殺したい場合、①は2014年12月31日、②は2017年1月1日になります。2014年12月31日でAさんが20%、Bさんが50%、Cさんが30%持っていた場合、2017年1月1日時点でAさんのみがDさんに全株譲渡していても、CさんのみがDさんに全株譲渡しても、AさんとCさんがDさんに全株譲渡しても、BさんのみがDさんに全株譲渡しても大丈夫ですが、Bさんともう一人(AさんかCさん)がDさんに全株譲渡すると基準日共通株主の②の持株比率が50%を切るので欠損金を繰り越せなくなります。
 
 
ちなみにCapital Allowanceの繰り越し要件は上記①の定義が違いますので注意が必要です。

 

 

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