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世界におけるシンガポールの低税率と物価高

2015.11.04

シンガポールの税金(法人税、GST、個人所得税、優遇税制など)

私の昔々の古巣でもありますKPMGから、「2015年世界税率調査」がでました。

 

原文こちら

 


調査対象国は世界145か国。

 


法人税を引き上げた国は意外にも6か国もあります。
先進国(定義はさておき。以下同様)ではドイツが29.58%から29.65%へ若干の引き上げ。他国との課税競争にさらされているこの時代に、先進国で法人税引き上げる国なんてあるんですね。自国の魅力に自信がある、というドイツらしい気高い無骨な雰囲気が漂ってますw。

 

続いて法人税を引き下げた国は145か国中11か国。
先進国では日本(35.64%→33.06%)、ポルトガル(23%→21%)、スペイン(30%→28%)、イギリス(21%→20%)となりました。日本のタックスヘイブン対策税制が「法人税が20%”以下”の国をタックスヘイブン国と認定する。」と定義していたところ、イギリスが法人税率を20%に引き下げたために「イギリス様をタックスヘイブン国とか言ったらマズいっしょ。」ということで、20%”未満”にTH対策税制の対象国税率(国際税務用語でトリガー税率といいます)を引き下げたのは有名な話。
 

ちなみに世界の平均法人税率は23.68%で、OECD加盟国で税率が高い順に米国(40%)、ベルギー(33.99%)、フランス(33.33%)、日本(33.06%)、イタリア(31.40%)となっています。

 

一方、個人所得税率についても今回から調査対象にしているようで、最高税率が50%を越える高い税率が適用される国は145か国中たったの7か国。先進国だとスウェーデン(57%)、フィンランド(52.35%)、オランダ(52%)、日本(50.84%)となっています。世界平均は31.35%。
 

シンガポールの税率は法人税17%、個人所得税最高税率20%(2016年から22%に引き上げ)となっており、確かに世界145か国でもかなり税率が低い方ですね。それでも国の財政は黒字ですが。Taxという名目以外で国が手数料をとって名目上の税率を低く見せている国なんかもあるようですが、シンガポールはその類ではないです。
 

日本でシンガポール移住というと節税というイメージがあるかもしれませんが、この場でも繰り返しお伝えしているように物価は高いです。相当の所得水準、つまり節税金額がないと、物価高の方がインパクトが大きいので、生活するのにむしろ手取りは減ります。法人も同じ。個人の移住だと、感覚としては年収が1500万円ぐらいでようやく節税メリットと物価高が相殺されて同等の手取りになるイメージでしょうか。

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