シンガポール法人の決算日(会社設立、法人設立)
2015.09.15
会社設立(法人設立)などシンガポール進出系
シンガポール支店の場合は本店(日本法人のシンガポール支店の場合はその日本法人)の決算日と同一の日になりますが、現地法人の場合は基本的には自由に決算日を決めることができます。
シンガポール法人の決算日をいつにするか、については、連結決算上の理由もあって親会社と同じ決算日に統一、ということもあるでしょうし、それでも構いませんが、以下のようなことを勘案して決定されるとよいでしょう。
■第1回目の株主総会期日
設立1期目の株主総会は設立後18か月以内にすればよいとされています。ここが結構誤解を生むところなので解説しますと、第1回目の決算日が設立から18か月以内でよいというわけではありません。
株主総会は決算日から6か月以内に行わなければならないという(通常の)決まりが別途ありますので、決算日が到来し、その後決算を行い、必要あれば監査を受けることで決算を確定させて、そこでようやく株主総会が開催できますので、決算作業を行う時間的余裕をみて株主総会開催日を決めなければなりません。
例えば会社設立日が2015年2月1日で決算日を毎年3月31日とした場合、第1回目の決算を2015年3月ではなく2016年3月にすることは可能です。2016年3月に決算日が到来し、2016年4月~6月で決算作業を行い、2016年7月末までに株主総会を開催するのは現実的スケジュール感であるからです。
一方で、会社設立日が2014年11月1日で決算日を毎年3月31日とした場合、18か月後の2016年4月末までに株主総会を開催しなければなりませんので、2016年3月を第1回目の決算日とした場合、決算日から1か月以内に決算を行い、必要あれば監査を受け、そして株主総会を開催しなければならず、ちょっと現実的ではありません。ですのでこのケースだと通常、第1回目の決算日は2015年3月となります。
■スタートアップ免税
株主が20人以下の個人株主の場合など一定の場合には、「はじめの3課税期間」の大幅な免税措置がありますが、第1回目の決算が12か月以上になった場合は、法人税としては一旦課税期間を区切ります。
つまり、上記の例で会社設立日が2015年2月1日で、決算日を毎年3月31日とした場合には、第1回目の決算が2016年3月末であっても、法人税としては2015年3月で一旦区切ります。
ですので、本来であればはじめの3課税期間、つまり36か月の大幅な免税措置を受けられたところ、上記の例だと26か月しか免税措置が受けられないことになります。
という理由もあり、特別な理由がないプライベートカンパニーの場合は、
法人設立をした月の前月末を毎年の決算日にする
ということが多いです。
ご参考まで。