国際税務とは?その目的
公認会計士・税理士 萱場 玄
国際税務と呼ばれる領域をどう定義するか、にもよりますが、一般的に国際税務とは、「それぞれの国の国内税法等のうち、海外取引等に関する部分」と「租税条約など、各国間の取り決め」により構成されます。日本とシンガポール間における国際税務は、日本国内税務の国際取引に関する部分とシンガポールの国際取引に関する部分、それから日星租税条約の取り決め等、となります。
また、国際税務には下記のような主要目的があり、多くの国際税務の論点は下記の目的を達成するためのものといえるでしょう。
国際税務の主要目的
(1)国際的な二重課税の排除
国際的な取引について、複数の国が重複して二重に課税する可能性があり、これを排除して過度な課税を防ぐといった目的をいいます。
(2)国家間の税収配分
国際的な取引について、極端に片方の国に課税権が偏る可能性があり、国家間の税収を適切に調整するといった目的をいいます。
(3)国際取引の活性化
国際的な取引について、過度な課税を行うことで国際的な経済活動が損なわれる可能性があり、これを排除して国際的な経済活動を奨励しようといった目的をいいます。
(注)上記取り扱いは出稿時点のもので最新実務と異なる場合があります。