決算日の決定
公認会計士 萱場 玄
公認会計士 寺澤 拓磨
大森 裕之
シンガポールにおける決算日は支店と現地法人で規定が異なります。
支店のケース
日本法人のシンガポール支店の場合は原則としてその日本法人(本店)の決算日と同一の日になりますので選択の余地はありません。ただし、銀行業や保険業などでは一部例外があります。
現地法人のケース
現地法人の場合は自由に決算日を決めることができるため、月末ではない任意の日や、連結決算上の理由で親会社と同じ決算日に統一することも可能です。また、第1期目の決算については12か月を超える会計期間となる決算日を設定することもありますが、年次株主総会(AGM)の開催義務や法人税優遇措置の享受、管理会計の点からも、通常は法人設立時に定めた一定の月末日をもってそれ以降の決算日とします。
実務上は、決算日に拘りのない個人株主の場合はスタートアップ免税を最大限享受するため法人設立日が属する月の前月(例:5月に法人設立した場合は4月決算)にするケースや、年次決算作業を事業上の繁忙期やシンガポールの祝日(チャイニーズニューイヤー)もしくは監査法人側の繁忙期を避けるために12月末を回避するケース、シンガポールの特殊な法人税申告スケジュールを管理しやすくするために12月決算にするケース、法人税法上のグループリリーフを想定してシンガポール国内のグループ会社を決算日を合わせるケースなど、ケースバイケースといえます。
(注)上記取り扱いは出稿時点のもので最新実務と異なる場合があります。