交際費・寄附金
公認会計士 萱場 玄
公認会計士 寺澤 拓磨
大森 裕之
シンガポールの法人税法上、その取引金額全額が事業の目的のみのために発生し、かつ所得を獲得するのに要した費用のみが損金計上可能とされており、政策等の一定の例外を除いてこの原則が適用されます。
交際費
交際費にも上記の原則が適用され、その費用が事業の目的のみのために発生し、かつ所得を獲得するのに要したということが説明できれば、飲食代などの接待費や贈答用の贈り物費用など、すべて税務上の損金とすることが可能です。
実務上は、事業の目的のみのために発生することを説明できるよう、飲食代であれば日付、店名、参加者など、贈答用の贈り物であれば送り先や内容などを適切に記録、保存しておく必要があります。
寄附金
一般的に寄附金は、事業の目的でなく、所得獲得のために要したと説明することも難しいため、原則として損金とされませんが、政策的配慮(寄附の奨励)により一定の条件のもと税務上の損金として認められます。
損金として認められるのは、シンガポールへの貢献が認められる認定団体(IPC: Institution of a Public Character)やシンガポール政府への現金等による寄附に限られ、たとえ公に登録されている慈善団体(Registered charities)であっても、認定されていない以上は当該団体への寄附は損金不算入とされています。なお、2021年12月31日までに行われた損金算入可能の寄附金については、支払金額の250%を損金算入とすることが可能です。
(注)上記取り扱いは出稿時点のもので最新実務と異なる場合があります。