日本居住者がシンガポール法人から得た役員報酬
公認会計士 萱場 玄
公認会計士 寺澤 拓磨
大森 裕之
シンガポール居住者が日本法人から得る役員報酬については、日本で源泉税が課せられますがシンガポールでの所得税課税はありません。ただし、日本居住者がシンガポール法人から得る役員報酬については取り扱いが異なります。
シンガポールにおける源泉税
シンガポール法人から日本居住者へ役員報酬を支払う場合、原則として22%部分については源泉税として支払金額から控除しなければならず、日本居住の役員へ送金することができるのは残りの78%部分のみということになります。源泉徴収した22%部分は、シンガポール法人が役員個人に代わってシンガポールの課税当局IRASへ申告、納税を行うことになります。
日本における所得税
一方で、役員報酬を受ける日本では、当該役員報酬は役員個人の給与所得として(累進税率により)所得税課税されます。ただし、シンガポール側で源泉徴収され納税した22%部分は、日本で外国税額控除の適用を受けることが可能です。
(注)上記取り扱いは出稿時点のもので最新実務と異なる場合があります。