現物支給の給与
公認会計士 萱場 玄
公認会計士 寺澤 拓磨
大森 裕之
下記のような現物支給の給与(Benefit in Kind)について、ビジネス目的以外のプライベートに関する部分は、課税所得に含められ個人所得税が課せられます。
個人の住居家賃等
個人の住居家賃(家具等の賃貸がある場合は家具見合いを含む)、水道光熱費の実額などについて、原則として全額が課税所得に含められて課税対象となります。
交通費等
車両購入価格や、ドライバーつきの場合はドライバーの人件費にかかる私的利用部分について、課税所得に含められて個人所得税が課されます。リースの場合のリース料も同様です。
また、毎月一定額か否かに関わらず、会社から個人に支払われる通勤手当についてはその全額が課税対象となりますが、業務に関連した交通費の実費(タクシー代など)について課税されません。
出向者の日本における社会保険料等
出向者の給与をご参照ください。
子供の教育費等
子供の教育費(学費等)を会社が負担している場合は、実際の支払金額実額を個人所得に含め、個人所得税の課税対象とされます。
ホームリーブ(一時帰国手当)
従業員やその家族の日本への一時帰国(休暇)のために会社が負担した旅費については,全額が個人の所得として課税対象になります。
医療費
すべての従業員が利用できるなどの一定の条件を満たす場合には課税されません。
ストック・オプション
シンガポールでの勤務期間中にストック,オプションを付与された場合,シンガポールで課税される可能性があります。
ストックオプションの行使権が発生し、当該ストック・オプションをシンガポール勤務期間中に行使した場合には,行使時の株式の時価と行使価額との差額が課税所得とされ、行使しないまま帰国する場合は帰国時の株式の時価と行使価額との差額が課税所得となり、帰国時のタックスクリアランスで課税されることになります。
その他
携帯電話代やゴルフ会員権、従業員の借入利息やメイド費用の補助金など、プライベート使用分については個人への給与と同じものであるとして課税されます。
(注)上記取り扱いは出稿時点のもので最新実務と異なる場合があります。