ネットフリックスタックス
公認会計士・税理士 萱場 玄
2020年1月より、ネットフリックスタックス(日本の電気利用役務の提供、通称アマゾン税のシンガポール版)が施行されました。この施行により、シンガポール国内企業だけでなく、シンガポール国外企業がシンガポール国内向けに提供する電気通信サービスもGSTの課税対象に含まれることになりました。
対象
当該国外企業のうち、以下の条件に当てはまる企業は原則としてGST登録と申告納税が義務になります。ただし、当該国外企業がシンガポール国内のGST登録会社に提供する場合はいわゆるリバースチャージ方式(サービス利用側のシンガポール法人が当該国外企業のGSTを含めて申告納税する方式)となり、GST登録は不要となります。
- 当該国外業者の全世界売上が 1 ミリオン(約 8,000 万円)を超えている
- シンガポール向け電気通信サービス取引が暦年 12 か月で総額 0.1 ミリオン(約 800 万 円)超える場合
日本のアマゾン税との違い
Kindle や iTunes、Netflix や Spotify といった「他社の電子コンテンツを自社マーケットプレイスで販売」する場合のそのマーケットプレイス会社も、上記の対象となる場合は GST登録、申告納税が必要になります。広告主のウェブサイトに誘導するのみ、といったようなウェブメディアの場合はこれに該当しませんが、Kindle のように Kindle(アマゾン)社からユ ーザーへ請求するようなサービスの場合は対象となりますのでご注意ください。
電気通信サービスの例
インターネットや電気通信を通じて提供されるサービスのことを指します。主として以下のサービスが対象になります。
- ダウンロード可能なコンテンツ(スマホアプリ、電子書籍、映画など)
- 購読型メディア(ニュース、雑誌、TV や音楽ストリーミング、オンラインゲーム、e-learning など)
- ソフトウェアプログラム(ソフトウェア、ドライバー、ファイアウォール等のダウンロー ドなど)
- 電子データの管理サービス(ウェブホスティング、クラウドストレージなど)
- 電子的方法によって商取引をアレンジ・ファシリテイトするサポートサービス(Booking fee など)
(注)上記取り扱いは出稿時点のもので最新実務と異なる場合があります。