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シンガポール入門SINGAPORE INFO

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シンガポール居住者が日本に一時帰国する際の給与所得

 

公認会計士・税理士  萱場  玄

 

 

シンガポールへ赴任中の従業員(シンガポール居住者≒日本非居住者)が日本に一時帰国し、渡航制限等の事情によりシンガポールに戻ることができずに日本国内で勤務する場合の給与所得については、下記の点に留意する必要があります。

日本へ一時帰国する日本非居住者の所得税の取扱い

通常、1年以上の赴任期間を予定してシンガポール赴任している従業員は日本非居住者(≒シンガポール居住者)とされ、その給与所得は支払場所に関わらず「日本の非居住者が日本国外で稼得した所得(国外源泉所得)」に該当するため、日本では非課税となります(日本法人の役員を除く)。

しかし、日本非居住者(≒シンガポール居住者)が日本に一時帰国し、日本の本社等で勤務しているような場合は、当該勤務は日本源泉の所得とされ、「日本の非居住者が日本国内で稼得した所得(国内源泉所得)」として、原則として日本の所得税(20.42%)が課されることになります。

一方、シンガポールでは、シンガポール源泉の所得のみが課税対象とされ、上記のような一時帰国中の日本国内勤務に相当する分の給与等については理論上はシンガポールで課税対象外となります。

日星租税条約の取扱い

上述の通り、日本非居住者(≒シンガポール居住者)が日本一時帰国中に得た日本国内源泉の給与等は原則として日本で課税対象とされますが、以下の3条件を満たす場合には、日星租税条約15条に基づき短期滞在者免税が適用され、日本でも課税されないこととなります。

  • 日本に滞在している期間が、継続するいかなる12ヶ月においても183日を超えないこと
  • 報酬が日本居住者でない雇用者またはこれに代わる者(=シンガポール法人等)から支払われるものであること
  • 報酬が日本国内に有する恒久的施設または固定的施設によって負担されるものではないこと

 

上記、第2要件については特に注意が必要です。つまり、日本非居住者(≒シンガポール居住者)が日本一時帰国中に得た日本国内源泉の給与等のうち、日本払いの分については日星租税条約15条が適用されず日本において課税対象とされます。「日本の本店とシンガポールの支店の双方から給与を支払っている場合」の一時帰国については要注意といえます。

 

 

(注)上記取り扱いは出稿時点のもので最新実務と異なる場合があります。最新の実務情報はシンガポール入門~最新実務編(オンライン)~にて提供しております。

 

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