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シンガポール入門SINGAPORE INFO

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外国税額控除(FTC: Foreign Tax Credit)

公認会計士  萱場  玄

公認会計士  寺澤 拓磨

大森 裕之

 

 

外国税額控除とは、国をまたがる取引(居住地国と所得の源泉地国が異なる取引)について、同一の取引について両国で課税がされる場合に、支払いを受ける側の国において税額控除を受ける制度をいいます。例えば日本法人がシンガポール法人になんらかの権利料を支払う場合に、支払う側の日本で源泉税が課税されるのにもかかわらず受け取る側のシンガポールでも通常通りに法人税が課税されるのであれば、いわゆる二重課税となります。このような二重課税を排除、軽減するため、諸外国で支払った源泉税をシンガポールにおける法人税の前払いであるかのように取り扱うことでシンガポール側の法人税を軽減するのが外国税額控除の役割といえます。

通常の外国税額控除(FTC: Foreign Tax Credit)

日本などの租税条約締約国との取引について適用される外国税額控除(DTR: Double Tax Relief)と、米国などの租税条約を締約していない相手国との取引について適用される外国税額控除(UTC: Unilateral Tax Credit)があり(配当所得の関節税額控除に関する要件等、両者で若干内容が異なります)、適用するには下記の要件を満たす必要があります。なお、所得の発生とシンガポールで課税される賦課年度が異なる場合はシンガポールで課税される賦課年度において外国税額控除を適用することになります。

  • 外国税額控除を適用する賦課年度について、税務上の居住法人であること
  • 相手国(送金元)で当該所得に対する納税義務が発生している、もしくは支払われていること
  • 当該所得がシンガポールで課税対象であること
  • 外国税額控除を適用する賦課年度について、法人税額が発生する(納税ポジションである)こと

通常の外国税額控除が適用される場合、所得の区分(source by source)ごとおよび所得の源泉地国(country by country)ごとに控除限度額を算定し、その範囲内でのみ外国税額控除が可能となります。

控除限度額合算計算の外国税額控除(FTC Pooling System)

上記、通常の外国税額控除によれば、所得の区分(source by source)ごとおよび所得の源泉地国(country by country)ごとに控除限度額の計算が必要となり、外国税額を控除しきれないことが多く納税者に不利となるため、下記の要件のもと、所得の区分、源泉地国ごとに分離することなく総額で控除限度額を計算することが可能とされています。

  • 当該所得が相手国(送金元)で課税され支払われていること
  • 当該所得を受けた際の相手国の標準税率が15%以上であること
  • 当該所得がシンガポールで課税対象であること
  • 上記の通常の外国税額控除の要件を満たすこと

 

 

(注)上記取り扱いは出稿時点のもので最新実務と異なる場合があります。最新の実務情報はシンガポール入門~最新実務編(オンライン)~にて提供しております。

 

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