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シンガポールの総選挙の結果と今後の動向予想

2015.09.12

その他(日々のニュースや日常)

昨日、シンガポールの総選挙が行われまして結果がでました。

 

 

89議席中、与党が83議席、野党が6議席ということになり前回2011年の総選挙の結果から与党がより多数の議席を確保することになりました。
全体の投票率としても与党69.86%、野党30.14%ということで、与党獲得率は2011年の60.14%から大幅アップしました。

 

 

ちなみに野党の得票率が30.14%もあるのに議席としてはたったの6.7%(6議席/89議席)しかないのは、GRC (Group Representation Constituency)という、グループ選挙区があるのが大きいと思われます。その選挙区で1票でも最多得票だった政党が4人とか5人の議席の全てを獲得するという、「勝者全取り」の選挙区です。
比例代表制のように得票率に応じて議席を分け合うのではないこの「勝者全取り」ルールが与党の9割以上の議席数確保を支えているともいえます。

 

たまに「シンガポールの与党が歴史的大敗をした」ということを言う方もいらっしゃって、確かに報道としてもそういった表現が使われることもありますが、基本的には90%以上の議席数を確保していますので皆様はお間違えなきよう。

 

 

今回の選挙の行方が我々のような外国人と日系企業を含む外資系企業にどう影響するか、というと、簡単にいうと「与党は経済重視、野党はシンガポール国民(特に中間所得層以下)重視」のはずですので、下記のようなことが考えられます。国民の声を気にして国民重視に寄っていた最近の与党ですが、若干経済重視の政策に戻る可能性もあり、我々外国人にとってはウェルカムといえます。

 

 

以下、完全に個人的感想であります。

 

 

・外国人受け入れの引き締めが緩和される可能性:少なくともEPの最低給与がさらに上がることはしばらくなさそうかなと。レストランや介護など、一定の業界については新しい別のタイプのビザが導入されるとか、そういったこともあり得なくはないかもしれないとか思ったり。

 

 

・居住用不動産の価格の鎮静化政策は緩和される可能性:不動産関連の重税(印紙税とか固定資産税とか)は現状維持か、もしくは下がる可能性もあるかなと。

 

 

・富裕層増税の機運も少し緩和される可能性:2016年の所得から個人所得税の増税(特に最高税率2%引き上げ)がされますが、こういった富裕層向けの増税も一休みかと。

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