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シンガポールの税収が過去最高に

2016.09.01

シンガポールの税金(法人税、GST、個人所得税、優遇税制など)

税金が安いということで有名なシンガポールですが、直近2015/2016の税収が過去最高を叩き出しました。企業でいえば過去最高売上の更新。

IRAS Annual Report 2015/16: Singapore’s Tax Revenue Up 3.2%, High On-Time Filing and Payment Rates Across Tax Types, Low Tax Arrears at 0.62%

 

 

昨日のアップルの話にも関連しますが、2000年に26%だったシンガポールの法人税率はどんどん下がって現在は17%。税率が右肩下がりで下がり続けている中、今回の「過去最高の税収」です。

 

 

相変わらず素晴らしい、結果を出し続けるシンガポール政府ですが、この国際的な課税競争の中で、米国やEUや日本のように攻撃的な課税システムにするよりは、シンガポールのように優しい税制にして富を集め、薄く広く税収を確保する、北風税制ではなく太陽税制、、企業でいえば薄利多売にした方が、国境を超えてビジネスをし易くなった近年では税収最大化が図れると思うんですよね。税率を下げると税収が増える、というのはまさにこのこと。

 

 

昔は国境を越えてビジネスするというのがそんなに簡単ではなかったでしょうし、国はそれぞれ国単位でマーケットが完結していました。しかしその時代はもう終わりを迎え、昨日のアップルのように、全世界、地球単位でビジネスの最適化を考える時代です。技術革新やインターネットの普及も相まって、「その国の税制が気に食わないなら、その国で事業をしながら税金は他の国に納める」ということもできるようになった時代です。

 

 

シンガポールのように税率を低くすれば、例えばたった数百円、数千円程度のタクシー代や交際費を経費扱いにして、なるべく節税をしようというインセンティブも抑えられ(節税効果より経理処理する労働コストの方が高い)、結果、国税側の税収確保のためのコスト(税務調査など)も削減できますし、費用を押さえて売上(税収)を最大化させるという、一般企業なら当然目指しているボトムライン(純利益)重視の体制に近づく、と思います。

 

 

IRASの記事にある「1ドルの税収を確保するのにかかった費用は0.83セント(つまり0.0083㌦)」という指標に、ボトムライン重視の姿勢が現れている気がします。記事の下の方にも色々と数字が掲載されていますが、このそれぞれの数字をKPIにした責任者達が、この数字の維持向上にコミットして仕事しているんでしょうね、と想像します。

 

 

iras AR1516-D3k-ataglance

 

 

 

私はもう起業・独立開業しちゃってるので転職できないのが寂しいところですが、IRASで働いてみたいなあと本当に思いますね。IRASも人材募集しているので興味ある方は応募してみてはいかがでしょう。

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