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シンガポールの言論統制

2016.03.24

その他(日々のニュースや日常)

シンガポールを明るい北朝鮮と表現する日本人もいらっしゃいますが、シンガポールは良くも悪くも一党独裁で、Fine countryとも呼ばれるように、罰金(fine)や刑罰によって良い(fine)国を保っています。
 
言論統制も酷い、思ったことも言えないんでしょ?ということも耳にしますが、ここ最近でのホットな三つの話題が関連しそうなのでご紹介です。

 

 

■1年前、初代首相のリークアンユー(LKY)氏が亡くなった際に、LKY氏を中傷・侮辱する投稿をしたとして17歳のブロガーが逮捕されました。2万ドルで保釈されましたが、LKYが長年に渡り国民をだま続けたという主観的な話をブログに投稿。

 

 

■初代首相LKY氏の御子息リーシェンロン(LHL)氏が現在の首相ですが、彼を誹謗中傷したとして、名誉棄損で33歳のブロガーRoy氏を現役首相が提訴し15万ドルの支払いを命じられました。CPFを横領したという根拠のない投稿をしたものですが、ロイ氏は15万ドルの大半を一般からの寄付で賄うというミラクル技。そのうちクラウドファンディングで損害賠償を補ったりするケースが増えそうですね。

 

 


■反政府系ニュースサイトTRS(The Real Singapore)運営メンバーの日系オーストラリア人(日本国籍から帰化したらしい)、タカギアイ氏(23歳)がPV稼ぎ広告収入狙いのでっち上げ記事を複数掲載したとして逮捕。加えてメディア開発庁MDAからのライセンス剥奪と、コンテンツを転載されていたSPHからの著作権侵害で提訴されフルボッコ状態に。サイト閉鎖直前の1年半で約50万ドル(4,000万円)の広告収入を得たようですが、昨日判決がでて10カ月の懲役。

 

 

言論統制といわれることもありますが、要するに根拠がないもしくは事実誤認の、反政府記事もしくは民族対立を煽る内容に厳しいだけで、正確に事実をとらえて政策に反論する記事などは問題ない(はず)です。特に、民族対立をおこさないようにして、この国にとってとても重要な「多国籍多民族の共存」を維持していくためには、こういった対策は単なる言論統制にとどまらず、治安維持措置としてとても重要であると私は思います。

 

ティーンエイジャーの件

http://news.asiaone.com/news/singapore/teen-blogger-probed-insulting-religion-online

 

現役首相から提訴の件

http://www.channelnewsasia.com/news/singapore/blogger-roy-ngerng/2355748.html

 

反政府サイトの件

http://www.straitstimes.com/singapore/courts-crime/former-trs-editor-ai-takagi-jailed-10-months-for-sedition

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