PICキャッシュペイアウト不正受給で有罪判決
2015.08.27
シンガポールの税金(法人税、GST、個人所得税、優遇税制など)
おはようございます。
シンガポールは国土が狭く、さらなる外国人の受け入れに国民が難色を示しているため、人の手をなるべく介在させないように生産効率を上げる活動に対して政府が補助をしています。
その補助制度の名を
PIC(Productivity and Innovation Credit)
といいます。
ピーアイシーという言葉はシンガポール在住者なら聞いたことがある方も多いでしょう。労働者一人当たりの生産性を上げる、つまり少ない人数で売上を伸ばす活動、例えばパソコン(手紙書くとかより生産性高い)を買うとか、焼き鳥の自動焼き機を買う(焼き係の社員が不要)とか、従業員に研修を受けさせる(一人あたりの能力を伸ばす)とか、そういったことです。
補助の内容は、基本的には「費用400%損金算入」です。
つまり1万ドル払ったら4万ドルを法人税計算上の費用として税務申告できます。
ところが、法人税を納付していない赤字企業などですとこの節税効果が受けられませんし、1年も2年も先の納税負担を減らすということで補助の実感が薄いこともあって、これとは別に「60%キャッシュバック」というのが条件付きで認められています。1万ドルつかったら6千ドルが政府からキャッシュバックされます。シンガポール人か永住権保持者を3人雇用するなど、いくつか条件があります。
ちなみにシンガポールの法人税率は17%なので、400%損金算入よりも60%キャッシュバックの方が金額は若干ですが損することになります。キャッシュフロー前倒し分のディスカウントですね。
と、ここまでが前振りなんですが、この60%キャッシュバックを不正受給したとして有罪判決が出ました。
不正の内容は、
「シンガポール人を雇用したように見せかけた」
です。
60%キャッシュバックの直前に2名のシンガポール人(おそらく自分を合わせて3人)を雇用したように見せかけて60%キャッシュバックを申請したとのこと。
有罪判決により、1万ドルの罰金と、60%キャッシュバックで不正受給した6千ドルの3倍の18,000ドルのペナルティの支払いを命じられました。
PIC関連の不正受給は結構罪が重く、最大で不正受給の4倍の罰金に加えて最大5万ドルの罰金と(もしくは)最長5年間の懲役となります。
皆様お気をつけて。。。
あ、ちなみに弊社、60%キャッシュバックの申請代行もやってます。
元記事こちら
PIC概要について以下参照