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シンガポール入門SINGAPORE INFO

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仮想通貨(暗号通貨)及びICOの税務上の取り扱い

公認会計士  萱場  玄

公認会計士  寺澤 拓磨

大森 裕之

 

 

 

仮想通貨及びICO(Initial Coin Offering)についてはケースバイケースではありますが、一般的には以下のような取り扱いになると思われます。

 

(1) 仮想通貨の発行体側の処理

いわゆるICOの発行体について、フェーズごとに下記のような取り扱いが考えられます。

 

(i) トークンセールスにより流動性の高い(相場価格のある)仮想通貨を調達したものの、一定の条件で返済義務があるフェーズ

このフェーズにおいては、会計上も税務上も収益(益金)計上はされず、預り金といった負債科目により処理することになると思われます。

自社で発行したトークン(=コイン)については、処理無し、もしくはゼロ評価にて資産計上(対価ゼロで購入)するといった処理方法も考えられます。

 

(ii) トークンセールスにより流動性の高い(相場価格のある)仮想通貨を調達、返済義務が無い、もしくは義務が消滅したフェーズ

このフェーズにおいては、一般的には会計上はなんらかの方法により収益計上(調達した仮想通貨の時価により測定)することになると思われます。ただし、効果が将来の期間に渡る場合は一次的に前受収益等で処理し、複数期間に渡り(返済義務の消滅などに応じて)収益計上するということも考えられます。

シンガポールの法人税法上は、会計上収益計上されたものについては一般的にレベニューネイチャーとされ課税対象となりますが、場合によってはキャピタルネイチャー、つまり非課税となる可能性もあると思われます。

 

(2) 仮想通貨取引所側の処理

買い手と売り手の取引をマッチングさせるといった手数料事業については手数料発生時に収益計上し、法人税課税されるものと思われます。一方で、自社発行の仮想通貨を自己保有し買い注文にマッチングさせるといった場合は、通常の売却と同様にネイチャー(取引の税務上の属性)による判断となり、通常はレベニューネイチャー、つまり課税対象となると思われます。自社発行ではない仮想通貨を市場等から購入し自社運営の取引所の買い注文に充てるといった場合は通常の法人投資家の処理と同じ処理(下記参照)となると思われますが、キャピタルネイチャーとされる可能性は極めて低いと思われます。

 

(3) 売買する投資家側の処理

法人投資家の場合、売却時に簿価を原価、売却金額を収益として処理、決算日末で保有している仮想通貨については通常は時価評価することになると思われます。法人税法上は、キャピタルネイチャーかレベニューネイチャーかにより、売却益、評価差額ともに課税対象となるか否かが決まることになると思われます。

個人投資家の場合は、仮想通貨投資を業として行っている場合を除き、課税されないと解されています。

 

 

(注)上記取り扱いは出稿時点のもので最新実務と異なる場合があります。最新の実務情報はシンガポール入門~最新実務編(オンライン)~にて提供しております。

 

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