English 中文

シンガポール入門SINGAPORE INFO

ブログ

シンガポール進出に要する費用と期間

公認会計士  萱場  玄

公認会計士  寺澤 拓磨

大森 裕之

 

 

新たにシンガポール進出をする場合に要する費用と期間について、一般的には下記のようになります。具体的な設立手続きについては、現地法人の設立手続シンガポール支店の設立手続駐在員事務所の設立手続をご参照ください。

 

 

(注:ここでは、進出形態として圧倒的多数の現地法人と支店(以下、現地法人等)のケースを前提とし、駐在員事務所やパートナーシップなど、その他の組織形態でのケースは個別にお問合わせください。)

 

 

①現地法人等の設立

 

法人設立業務を行う業者の選定や契約条件の確定後、以下のスケジュールで現地法人等の設立を行います。

 

 

まず、現地法人等の概要を決定するため、社名、主要な事業内容、取締役(Director)、登記住所、株主、資本金と株式の種類、発行株式数などを決定します。ここでの費用としては法人設立業務を行う業者への報酬以外に、社名の確保のための当局(ACRA)への手数料がS$15(名称一つあたり)かかることになります。

 

 

次に、法人設立業務を行う業者から依頼される資料(取締役や株主の個人情報、法人株主を予定している場合の登記簿謄本やその英訳など)について情報提供や署名等を行い、全ての必要資料が揃うと、法人設立業務を行う業者が法人設立を行います。ここで、当局(ACRA)に支払う法人設立申請手数料としてS$300を要します。

 

 

通常のケースの場合、ここまで(業者の選定から現地法人等の設立まで)で、当局(ACRA)へ支払いが必要な費用はS$315となります。その他、法人登記住所の提供、カンパニーセクレタリー、ローカルダイレクター名義、法人設立代行などの業者への手数料が別途かかるのが通常ですが、金額は業者によって異なります。

 

 

法人設立に要する期間は、両者(依頼主と業者)の対応スピードにもよるものの、現地法人で個人株主のみのケースだと1-2週間程度、現地法人で法人株主が入るケースだと2-3週間程度、シンガポール支店のケースだと3-4週間程度が目安となります。

 

 

②銀行口座開設

 

現地法人等の設立の次に行うのは、銀行口座開設です。

 

金融機関によって手続き方法や条件が異なりますが、通常はシンガポールにある金融機関の本店または支店に実際に訪問して口座開設申請を行うこととなるため、新規進出の場合は日本から銀行口座開設のためにシンガポール出張をする必要があることになります。

 

 

銀行口座開設に係る費用は、通常は銀行口座開設サポートを行う業者への手数料(金額は業者による)とシンガポールへの出張旅費のみですが、金融機関によっては口座開設申請時に、はじめの預入金額の支払いを要求されることもあり、事前に口座開設時に必要な預入金額と支払い方法(現金、小切手、銀行振り込みなど)について確認しておくのが無難といえます。

 

ここまで(シンガポール出張で口座開設申請をしてから口座開設まで)に要する期間は、最短で1週間程度、銀行審査が長期化(銀行の審査状況による)する場合は2か月程度を要することがあります。また、昨今の国際的な金融規制、金融機関の自己規制等により、銀行口座開設申請の情報のやりとりが長期化するケースや、口座開設が却下されるケースが相次いでおり、後述するビザ取得とともに銀行口座開設はシンガポール進出時の最大の不確実要素の一つといえます。

 

 

③増資

 

銀行口座開設が無事に完了すると、次は開設された銀行口座に株主から資本金見合いの金額を送金し、通常はカンパニーセクレタリー業者が増資手続きを行います。新規のシンガポール進出の場合は、日本の株主(親会社や個人株主)からシンガポールへ、海外送金を行うこととなります。なお、資本金1ドルで設立し、その後増資手続きを行うことについてはこちらご参照ください。

 

 

開設された銀行口座で資本金見合いの資金が着金した後、通常はカンパニーセクレタリー業者が増資の手続きを行います。ここまで(銀行口座開設から増資手続き完了まで)で直接的に要する費用は業者への手数料(業者による)と海外送金手数料のみです。

 

 

要する期間は、海外送金の着金に1,2営業日、そこから増資手続きまで2-3営業日程度が一般的です。

 

 

④ビザ(EP)取得

 

 

増資手続きが完了すると、その後、日本などから駐在員等を就任させるため、ビザ(EP)の取得手続きを行います。

 

 

ビザの取得手続きに要する費用は、ビザ申請代行業者への手数料(金額は業者による)に加えて、駐在員本人用のビザ(EP)の申請から発行までで合計S250、駐在員に同行する家族用のビザ(DP)で同様にS240(一人)となるのが一般的です。

 

 

ビザ取得に要する期間は、両者(依頼主と業者)の対応スピードにもよるものの、業者との情報のやりとり(卒業証明書の入手や月額給与の設定など)で1週間程度、ビザ申請後の監督官庁(MOM)の審査で少なくとも2週間程度、審査が長期化(MOMの内部状況による)すると3か月を要することもあります。また、審査の結果、ビザ申請が却下された場合はさらに長期化もしくは人員の変更を要することもあり、ビザの取得はシンガポール進出のスケジューリングに大きな影響を与える最大の不確実要素といえます。

 

 

シンガポール進出に要する期間と費用のまとめ

 

 

シンガポール進出に要する費用は法人設立等の業務を行う業者の報酬水準に大きく依存しますが、監督官庁等に支払う実費自体は(駐在員1名の場合)通常の場合は10万円以下、ということになります。他の東南アジアの国々と異なり、不透明な費用は一切ありません。

 

 

シンガポール進出にかかる期間は、ケースバイケースであるものの、最も一般的なケースでは、意思決定から法人設立まで2週間程度、そこから銀行口座開設まで10日程度、そこから駐在員のビザ取得まで3週間程度、合わせると、進出の意思決定から駐在員を就任させることができる状態になるまで1-2か月程度、というスケジュール感が現実的といえます。ただし、(特に銀行口座開設とビザについては)不確実な要因も多く、余裕をもったスケジューリングが必要といえます。

 

 

(注)上記取り扱いは出稿時点のもので最新実務と異なる場合があります。最新の実務情報はシンガポール入門~最新実務編(オンライン)~にて提供しております。

 

 

INQUIRY

御見積もりやセミナーの御依頼など、お気軽に御相談ください

お問い合わせはこちら